『線は、僕を描く』 砥上 裕將(とがみ ひろまさ)/著 講談社
両親を事故で失ったばかりで深い喪失感の中にいる、大学生の青山霜介が有名な水墨画家に見いだされ、全く無縁だった水墨画を学んでいきます。
やり直しのきかない一発勝負の水墨画は、線にその人の内面が現れます。
作者自身が水墨画家だからなのでしょう、水墨画に対する深い理解と解説が本質を描いていてとても面白いです。
主人公が孤独から少しずつ抜け出し、成長していく姿は応援したくなるとともに胸打たれます。
読んでいてとても清々しい静謐な空気に満たされ、読後感もとてもいいです。