『最高のともだち』 草野 たき/著 講談社
みなさんは「最高のともだち」ってどんな友達だと思いますか？ 笑いのツボが一緒だったり、趣味が一緒だったり、話が合うからだったり…
でも、この物語に出てくる小学校６年生のときに仲良くなった３人はそのどれにも当てはまらないけど、お互いを「最高のともだち」と高校生になったいまでも思い続けています。それには３人にしかわからない絆があったらからです。
叔父さんの恋人を本気で好きになってしまったリクと、思ったことをはっきり口にしすぎるせいでみんなから嫌われ、いやがらせを受けている菜摘は、あるとき誰にも言えなかった思いをクラスメイトのライトに気づかれます。リクと菜摘は自分の気持ちをわかってくれたライトと仲良くなりたいと思い、ライトの家に通いつめます。ひょうひょうとしているように見えるライトにも複雑な事情があり、学校にも家にも居場所のない３人はやがて「人生をやりなおすパーティー」を計画します。それは今の自分とは違う自分になり、新しい世界でやりなおすというもので…
消えてしまいたい、いなくなりたい、と思ったことがある人は３人の気持ちがきっとわかると思います。彼らがどんな選択をしたのか、ぜひ確かめてみてください。