YAおすすめ図書 お知らせ

YAおすすめ今月の1冊【6月】

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『きみの存在を意識する』    梨屋 アリエ/著 ポプラ社

各章ごとに語り手が変わる連作の短編集です。

同じ中学校に通う2年生たち。
石崎ひすいは本を読むのが苦手で、たった1冊読むのに3ケ月もかかってしまうほどです。
同い年の弟石崎拓真は両親と死別しひすいの両親の養子になったけれど、ある時死別した両親も養育里親だったこと、そして本当の親が生きていることを知ってしまいます。
猪熊心桜(いのくまこはる)は字がうまく書けず、国語の追試をパソコンで受けさせてほしいと「合理的配慮」を求めるけれど、認めてもらえません。
大柄でいつも制服のスカートの下にジャージのズボンを履いている入来理幹(いりきりき)は、自分のことを『わたし』ではなく『じぶん』と言ったり、男か女か区別を求められることにも疑問を感じています。
賀川小晴(かがわこはる)は真面目で勉強のできる学級委員。特定の匂いに過剰反応し教室が臭いと言って別教室登校を続けている幼なじみの尾木瑠美名(おぎるみな)に付き合っているうちに何だか過食症ぎみになってしまいます。

こうしてさまざまな見えにくい困難や悩みを抱える子どもたちですが、置かれた中学校生活の中でそれぞれが葛藤し一生懸命に生きていく姿が描かれています。

読んでいくうちに、こんな子自分の身の回りにもいるよな とか、自分の中にもそんなことあるな とか、思い当たる部分があるかもしれませんね。

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