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おうちで読めるおすすめ小説~お伽草紙~

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『お伽草紙』 太宰治/著

この作品は、防空壕のなかで子供をあやしながら絵本を読んで聞かせるという形で、誰もが知っている昔話が展開されていくのですが、そこは太宰治。一筋縄ではいきません。
太宰のシニカルかつエッジのきいた解釈で語られる昔話は、知っているはずなのに全く新しい物語として楽しむことができます。
例えば浦島太郎の物語では、理屈っぽい亀と浦島の会話がまるで漫才のよう。不可解で理不尽な「玉手箱を開けたらおじいさんになってしまった」というラストには、長年のモヤモヤが解消されるような解釈がつけられています。
他にも「瘤取り」「カチカチ山」「舌切雀」がウィットに富んだ物語にアレンジされていて、思わず笑ってしまいます。ところでこの中に「桃太郎」が入っていない理由、その長々とした“言い訳”も語られるのですが、それがまた太宰らしい可笑しみにあふれています。過去に「人間失格」を読んで、暗くて苦手! と敬遠されていた方こそ、イメージが覆されると思うのでおすすめですよ!

青空文庫で読むなら→お伽草紙
本で読むなら→『お伽草紙』 太宰 治/作 スズキ コージ/絵 未知谷

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