『のろまなローラー』
小出 正吾/さく 山本 忠敬/え 福音館書店
(今月のテーマ展示「の」より)
でこぼこみちをたいらになおすため、ローラーがおもいくるまをころがしながらみちをいったりきたりしていました。うしろからおおきなトラックやじどうしゃがやってきては、のろまなローラーをじゃまにしたり、ばかにしたりしながらおいこしていきます。ローラーはそれでもゆっくりとおもいくるまをころがしながら、みちをなおしていきました。
ところが、ローラーがでこぼこのさかみちをのぼっていくと、さっきおいこしていったトラックやじどうしゃが、みちばたにとまっています。どのくるまも、でこぼこみちでパンクしてしまったようです。「それはなんともおきのどく。すっかりなおしておいでなさい。」ローラーはそういって、やまみちをゆっくりあるいていきました。すると、でこぼこざかがたいらなみちになりました。ローラーがあせをかきかきみちをなおしていきますと、うしろからあのトラックやじどうしゃが、「ありがとう。きみのおかげでみちがりっぱになるんですね。」とおれいをいって、げんきにはしっていきました。そしてローラーは、たいらになったさかみちを、あともどりしながらゆっくりかえっていきました。
はたらきもののロードローラーのおはなしです。