『アリになった数学者』 森田 真生/文 脇阪 克二/絵 福音館書店
タイトルを見ると、「数学者がアリになるって、SFとかホラー?・・・」って思うかもしれません。
べつに数学者がアリになったのではなくて、「アリになってみたら、人間や世界ってどう見える?アリに数がわかるの?」という疑問から、見え方や感じ方を変えてみようとする本です。
数学者の本というと、むずかしい計算や難解な式ばかり書いてある専門書が多いのですが、この本にはむずかしい計算も式も出てきません。出てくるのはかんたんな数と、見え方・感じ方だけです。
同じものでも、立場や考え方を変えてみると、それまでとはまったく違う見え方・感じ方になることがあります。
数学者の“考え方”をもとにして、アリになった架空のおはなし絵本として書かれていますので、数学が苦手な人でも読みやすいと思います。また描かれている絵は、1ページごとにタッチも違っていて、とても魅力的です。
ぜひ一度手に取ってみてはいかがですか?柔軟な思考をすることの大切さを発見できるかもしれません。