『恋愛問題は止まらない』 吉野 万理子/作 小学館
「憧れのあの人が丸坊主になってしまう！？」
中学三年生の由真は野球部に所属している憧れの上里君が監督の指令で髪の毛が丸刈りになるかもしれないと弟から聞きます。
友達から上里君ファンクラブ隊長と呼ばれるまでに上里君が大好きな由真は「あの憧れの上里君が、丸刈りなんて、絶対に許せない！」と友達とともに監督に文句を言って丸坊主にするのを撤回してもらおうとしますが…。
この作品はCASE34までおよそ6ページごとに主人公と視点がどんどん変わる短編形式であり、それら全ての話が繋がった一連の物語となっています。
34人という登場人物の多さに驚いてしまいますが、話のテンポが良いのと、キャラクター同士の関係性や性格がハッキリしているので混乱せずに読むことができます。
題名に「恋愛問題」とあるように、中学生の恋愛を軸とした物語で、同級生や先輩後輩、片思い、両想いなど三者三様の恋愛模様を読むことができます。
恋愛の形は人それぞれ、恋愛を軸に色々な人の考え方に触れることの出来る作品です。