『ロンドン・アイの謎』 シヴォーン・ダウド/著 越前 敏弥/訳 東京創元社
12歳の少年テッドは、姉のカットといとこのサリムの3人で「ロンドン・アイ」という観覧車に乗りに行きます。その観覧車は史上最大のもので、一周するのに30分もかかる巨大な物なのでした。
チケット売り場に並んでいると見知らぬ人が来て1枚余っているチケットをくれるといいます。3人はそれをもらうことにし、まだ一度も観覧車に乗ったことのないサリムに渡し、テッドとカット姉弟は下でサリムを見守ることにしました。サリムが20人の他の乗客と一緒に観覧車のカプセルへ乗り込むのを見送ります。ところが、一周して降りてきた乗客のなかにサリムがいないのです。
次のカプセル、その次と探してもサリムの姿はありませんでした。動く空中の観覧者からサリムは消えてしまったのです。一体どうやって?なぜ?
「真相にたどり着くための手掛かりはひとつ残らずこの本の中に書かれています」と序文にも書かれているフェアなミステリー小説です。登場する少年たちの成長も感じられる読後感さわやかな青春小説でもあります。
人とは違った観察眼と記憶力を持つ主人公テッドと一緒にこの謎をといてみませんか。