下総小金中野牧・捕込・野馬土手ってなに?
下総小金中野牧跡は鎌ケ谷市にある国指定の史跡です。
小金牧は江戸幕府が軍馬を確保するために作った直営の牧場です。
この小金牧のなかの一つ、中野牧、一本椚牧、下野牧に鎌ケ谷市の一部が含まれています。
捕込とはこの牧の中で放し飼いにされていた馬を集めて選別する場所のことです。
野馬土手は、牧場に関連して作られた土手の総称です。
図書館所蔵の関連資料
- 『野馬のいた風景 野馬土手、捕込が語る江戸時代の鎌ケ谷』
- 鎌ケ谷市郷土資料館∥編集 鎌ケ谷市郷土資料館 (C1.069)
- 『国指定史跡 下総小金中野牧跡』(パンフレット)
- 『国史跡下総小金中野牧跡保存管理計画書』千葉県鎌ケ谷市教育委員会(C1.220)
- 『小金牧を歩く』 青木 更吉/著 崙書房出版(C7.642)
郷土資料館情報
郷土資料館では常設展示で、江戸時代に市域中央部の台地上に位置した中野牧の展示を行っています。
特に平成19年度に国指定史跡となった下総小金中野牧関係の遺構の一つである中野牧捕込跡は復元模型を展示してあります。(写真1) 捕込は牧内に放し飼いにされた野馬を集めて、捕獲選別する野馬捕りを行う施設です。模型を見ていただければわかるように、捕込は「捕込(Ⅰ部分/野馬を追い込み網掛けしてとらえる区画)」「溜込(Ⅱ部分/軍馬として幕府へ送る野馬や、農耕馬や役馬として払い下げる野馬を留めておく区画)」「払込(Ⅲ部分/若い野馬などを牧に返す区画)」に区分されたと推定されています。現在、残っている中野牧捕込跡では、この払込の内部に入ることができます。
また、野馬土手は、野馬が逃げ出さないように村と牧の間に作られた「野馬除土手」と捕込へ野馬を導く「勢子土手」などの総称です。市域にはこの野馬土手の遺構が多数残されていますが、そのうち初富小学校の勢子土手は中野牧捕込跡とともに平成19年度に国指定の史跡となっています。
また、このほかに郷土資料館では牧の管理をする「牧士」を代々務めた三橋家に残された史料も展示してあります。(写真2) 興味のある方はぜひ、郷土資料館にいらしてください。
写真1 下総小金中野牧捕込の復元ジオラマ
写真2 牧士三橋家に残された史料